【いでは文化記念館よりお知らせ】企画展「秘奥深密(ヒミツ)の湯殿山―語られぬ山の物語―」開催のお知らせ
いでは文化記念館では7月7日(水)~11月29日(月)の期間、
出羽三山丑年御縁年記念特別企画展「秘奥深密(ヒミツ)の湯殿山―語られぬ山の物語―」を開催いたします。
丑年御縁年記念として期間中は通常の半額の入館料でご見学いただけます。
この機会にぜひご来館下さい。
古くから山岳信仰の霊場として栄えてきた出羽三山。
中でも湯殿山は三山の奥の院(もっとも重要な場所)であり、その神秘さゆえに
「語るなかれ、聞くなかれ」といわれるほど篤く信仰されています。
さらに湯殿山の開山した丑年にお詣りすれば十二年分のご利益があるとされ、
御縁年には多くの参詣者でにぎわいました。
本展では羽黒山と湯殿山の歴史的な関係に焦点をあてながら、
明治の神仏分離から近代にかけての変遷を紹介するとともに、
民衆を救うため自ら土中に入り即身仏となった湯殿山の一世行人、
湯殿山の自然を神仏の姿にあらわした御沢仏など、さまざまなかたちの
信仰を継承した湯殿山の知られざる「ヒミツ」に迫ります。
出羽三山丑年御縁年記念特別企画展
「秘奥深密(ヒミツ)の湯殿山―語られぬ山の物語―」
◆期 間:7月7日(水)~11月29日(月)
◆開館時間:9:00~16:30
◆休館日:火曜日(7・8月は無休)
◆入館料(丑年御縁年記念特別価格):大人200円/高校・大学生150円/小・中学生100円
期間中の講座・イベント
いでは文化記念館企画展記念イベント
◆歴史講座
「知られざる御沢仏~湯殿山信仰にみる異形の神仏~」
講師:石井紀子氏(白鷹町教育委員会)
日時:11月6日(土) 13:30~15:00
会場:いでは文化記念館レクチャーホール
「御沢仏」とは、湯殿山の大自然そのものを神仏の姿にあらわしたものです。
本講座では、白鷹町で長年仏像の修復や調査に携わっている
白鷹町教育委員会の石井紀子さんを講師にお招きし、白鷹町の塩田行屋に
まつられる御沢仏にみる湯殿山信仰についてお話しいただきます。
定員:70名 料金:200円(※入館料を含みます)
◆事前申込制となります。電話・メール・FAXいずれかでお申込み下さい。
丑年御縁年・いでは文化記念館企画展における地域振興事業
◆い~い湯殿(湯だな)キャンペーン
企画展開催中、キャンペーンチラシを「いでは文化記念館」・「やまぶし温泉ゆぽか」・
「休暇村庄内羽黒」・「湯殿山参籠所」の各施設で提示することで割引価格で
利用、または特典を受けることができます。各施設のスタンプをすべて
集めて抽選箱に投函していただくと抽選で「出羽三山オリジナルタンブラー」
をプレゼントいたします。奮ってご応募下さい!
※チラシは「羽黒町観光協会」WEBサイトからダウンロードできるほか、
いでは文化記念館、やまぶし温泉ゆぽか、休暇村庄内羽黒、湯殿山参籠所、羽黒
手向地域の宿坊・旅館等で配布しています。
期間:7月7日(水)~11月29日(月) ※企画展開催期間中
◆企画展ギャラリートーク
日時:7月10日(土)、8月14日(土)、9月11日(土)
時間:13:30~14:30 会場:いでは文化記念館企画展示室
出羽三山の歴史や文化について、当館学芸員がわかりやすく解説します。
※申込み不要(ただし、密集を避けるため定員に限りがあります。ご了承下さい。)
◆企画展ドキドキ!クイズラリー
企画展示室を会場に、企画展テーマに関連した問題を5問出題。展示終了後、
全問正解者にはオリジナルグッズをプレゼントします。ぜひご参加下さい!
期間:7月27日(火)~11月29日(月)
〇新型コロナウイルス感染拡大防止のため、体調のすぐれない
お客様は入館をご遠慮下さい。
〇マスク着用などの咳エチケットの励行、こまめな手指の洗浄・
消毒をお願いいたします。なお、館内各所に消毒液をご用意して
おりますので、どうぞご利用下さい。
「いきやすさ、くらしやすさへの道」をテーマとした鼎談が開催されました
「日本の聖地巡礼とコミュニティ実行員会」(代表 勝木 正人 手向地区自治振興会長)が主催し、5月9日にオンラインで開催され、711名の方が参加しました。
出羽三山。古くから東日本の霊山として親しまれてきたこの修験の山に引き寄せられた思想家/内田樹氏、哲学者/内山節氏、僧侶/藤田一照氏。それぞれの道を極めた三名が山伏星野先達の呼びかけで集まりました。
「コロナ禍」と言われる状態に入って早1年。新型コロナに罹患し、辛い日々を過ごした方や大切な方を亡くされた方もいらっしゃるでしょう。仕事の様相が変わる、家族や知人と会うことが困難になる、学校での交流がままならなくなるなど、今までの生活がガラリと変わり、身体的にも精神的にも大きな影響があった人も多いのではないでしょうか?
人それぞれに変化があり立場があり、千差万別の思いを抱えながら生きていて、その想いを一つの見解にまとめることは・・・とても難しいことです。しかし、自分の視点をいつもと少し変えて、改めて世界を眺めてみることはできるかもしれません。そんな想いで開催された鼎談です。
鼎談では、多様な視点から「いきやすさ、くらしやすさ」へのヒントをいただきました。
便利になればなるほど暮らしにくくなることがある。例えば食事。食事は命をもらうこと。昔は静かに食べ、命をもらうがゆえの感謝の厳粛さを大事にした。便利を追求するとサプリメントで栄養がとれる。しかし、食事は栄養をとるためではなく、様々な意味がある。
明治になって「個人」という概念が入ってきたときに「私の世界」がうまれた。個人を考えると他者とくっきり分かれ、生きにくい、暮らしにくい自分がくっきりみえてしまう。われわれはいろんな人と結びあって生きていく。つながり合う世界が本質。そうすると、個人はうっすらしたものになっていく。
修験道は、自力で山に入ったはずなのに、自然に何かを気付かされる。自力が他力に変わる。座禅は、自力で決意してはじめるが、決意した自分が意味がないことに気付く。座禅は床に支えられている。自分だけでは座りずらい、大地に支えられていれば楽。これは自信が変わらないとわからない。「おれが座っている」では分からない。自力では生きていない。あらゆる他力で生きている。
本来の業は何を目指しているか分からない深さがある。木刀をあげることの意味が分かるためには何十年もかかる。一人ひとり探していく。
居場所がないから消えるしかない。居場所は空間ではなく、命が働く場所、日常にある幸福。昭和30年代の一家団欒の場は無言。無言でいても許されることが承認。それが居場所。今は居場所を確保するためには大声で主張しないといけない。ネットでは「そこをどけ」の非難が多い。
ドリームハラスメントという言葉がある。高校生に「生きる意味を9月まで決めてくるように」といった課題を出す。「自分の人生設計をしっかりしろ」は百害あって一利ない。「君は君で好きにやりなさい。そのうちみつかる。生きてればいいよ。」が大事。
「やっていること」は自分が評価することでない。昔は、自然の評価、ご先祖様の評価、神仏の評価があった。身近な自然は身体。身体が承認する。頭で考えることは身体が承認してくれない。「あなたでいいんだよ」が生きていく上での基本。
内田樹 TATSURU UCHIDA (思想家/武道家)
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学名誉教授、昭和大学理事。神戸市内で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰。合気道七段。主著に『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『先生はえらい』など。『私家版・ユダヤ文
化論』で第六回小林秀雄賞、『日本辺境論』で2010年新書大賞、執筆活動全般について第三回伊丹十三賞を受賞。近著に『困難な結婚』、『世界「最終」戦争論』(姜尚中との共著)、『属国民主主義論』(白井聡との共著)、『転換期を生きるきみたちへ』(鷲田清一他との共著)など。
内山節 TAKASHI UCHIYAMA(哲学者/作家)
1950年東京都生まれ。1970年代から東京と群馬県・上野村を往復して暮らしながら、存在論、労働存在論、自然哲学、時間存在論を軸に哲学の研究をすすめる。NPO法人「森づくりフォーラム」代表理事。2004年?2009年立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科特任教授、その後、東京大学大学院人文社会系研究所兼任講師、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授などを歴任。著書に『共同体の基礎理論』(農文協)、『怯えの時代』(新潮選書)、『清浄なる精神』(信濃毎日新聞社)『修験道という生き方』(新潮選書)など多数。
藤田一照 ISSHO FUJITA (曹洞宗僧侶)
1954年愛媛県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、曹洞宗僧侶となる。1987年よりアメリカ合衆国マサチューセッツ州西部にあるパイオニア・ヴァレー禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の講義や坐禅指導を行う。2005年に帰国。2010年より2018年まで、サンフランシスコにある曹洞宗国際センター所長。神奈川県葉山町にて慣例に捉われない独自の坐禅会を主宰している。朝日カルチャーセンター等でも講義や坐禅指導を行っている。NHKETV「こころの時代」に出演、反響を呼ぶ。著書『現代「只管打坐」講義』など、共著『禅の教室』など、訳書『禅への鍵』など。
星野文紘 FUMIHIRO HOSHINO (羽黒山伏)
1946年山形県出羽三山羽黒山宿坊「大聖坊」に生まれる。1971年「大聖坊」十三代目を継承。2007年には出羽三山の最高の修行である「冬の峰百日行」の松聖を務める。出羽三山神社責任役員理事、NPO法人公益のふるさと創り鶴岡理事。これまで1000人以上の行者を先達しながら、日本各地の山伏復活にも尽力。海外とも交流を重ねる。全国各地で山伏の知恵を活かすべく生き方のトーク活動を「羽黒山伏の辻説法」として展開している。著書に『感じるままに生きなさい』(さくら舍)、『答えは自分の感じた中にある』(家の光協会)。
「国宝羽黒山五重塔ライトアップ」開催のお知らせ
生まれかわりの旅のはじまりの地「羽黒山」の中腹に建つ国宝。漆黒の闇の中に幻想的に浮かび上がる五重塔は、訪れる人々を幽玄の世界へと誘います。
庄内観光サイトにリンクします。
https://mokkedano.net/event/30898