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11月2日に開催された日本遺産LIVE「日本の身体とこころに繋がる、出羽三山の文化と信仰」の様子をレポートします。
当日は定員60名以上の方が県内外からおこし下さりました。羽黒山頂にある「出羽三山神社三神合祭殿」において、夜間の開催であり、ほのかな灯りの中で行われる演奏や能は、荘厳かつ幽玄なものとなりました。
内容としては、山伏によるほら貝によって場が静まり、篠笛とギターのリラクゼーション的な音楽により心癒される導入からはじまり、出羽三山神社の禰宜、山伏、能楽師によるトークライブが行われました。山伏の修行や能は、「祈り」という点で共通する部分があることや、能楽の演目に山伏が登場するものが多くあるなど、意外なつながりを知ることができました。
体験コーナーでは、参加者一体となって祝詞の一部や能の謡の発声や神社の禰宜からおそわる山伏修行「鎮魂の行」ということで心の整え方を学びました。山伏の方からは二人組になり、修験道から発想した心と体の使い方などを学びました。すがすがしい気持ちの時は、体に力がしっかり入るとのこと!
能では、「葛城(かずらき)」という羽黒山伏が登場する演目のダイジェスト版である半能で演じていただきました。山伏が登場する能や狂言はありますが、お能を舞っていただいた方も羽黒山にきたのは初めてとのこと。演者の方にも特別な夜になったことでしょう。
(概要)ある冬のこと。羽黒山の山伏の一行が、大和国葛城山へ入りました。一行は山中で吹雪に見舞われ、木陰 に避難していると、女性が通りかかり、自分の庵に案内します。庵で女は自分の苦しみを取り去るお祈りをしてほしいと、言い出しました。自分は葛城の女神であり、昔、修験道の開祖、役(えん)の行者の依頼を受けて、修行者のための岩橋を架けようとしたが、醜い姿を見られたくなく昼に作業ができなかったことから期限まで架けられなかったため、呪縛により蔦葛で縛られ、苦しんでいると訴えました。
山伏たちが、葛城の神を慰めようと祈っていると、呪縛に解き放たれた女神が押されてお礼の舞を舞い、朝の光で醜い顔があらわになる前にと、磐戸のなかへ入っていきました。
羽黒山頂は真っ暗なので、この日は星がとてもきれいでした。
出羽三山修行文化や能を体感する貴重な時間となりました。